普遍的価値 匿名 2020/12 ... 右利きなのに左の練習をしてる子とかいたw +2-2. シンバル1つも満足に叩けず、高1の時はブラスエキスポの隊列に並ばせてもらえへんで、最後尾を、トボトボついていった、吹部の最下層部員やったウチ...。いろんな楽器をめぐってめぐって、あがいてあがいて...、で、結局、最後の最後にたどり着いた先が.... 「それが、踊りの輪からぬけだして、着替えて、ダンスに移るまでの時間が、短かすぎるんや。下級生には無理なんや。」, 「ええーっ!DMが、そんなこと、せーへんでも...。わかった、ウチん悪かった。ウチ、やる。」, こうして、ウチが着ぐるみやったんや。ほんま、ほんの数秒しか余裕がなくて、かつかつ間に合うた。確かに下級生には無理やったわ。, ステージに3匹並んだ着ぐるみ。真ん中で、ひときわ生き生きと、威勢よくダンスしている着ぐるみの、靴が、DMだった。, 階下から、ママの叫びが聞こえる。自宅の部屋ン中で、5分間、片足立ちの練習しとったけど、3分40秒でコケたんや。まだまだや。, うちは、この春から、律花高校吹奏楽部にあこがれて、入部する新入部員。やけど、新型コロナで学校は休校で、当然、部活動も停止。顧問の先生や先輩たちにも、いまだ一回も会うとらん。吹奏楽の練習なんて、「密閉」「密集」「密接」の最たるもんやから、仕方あらへん。そのうち、吹奏楽部から連絡メール来た。そこには、限定公開の動画のURLが書かれとった。, いきなり、律花の演奏演技の輝かしい名場面から始まった。それと、そこに至るまでの、部員の血のにじむような練習の数々の場面とが、折重なり合って流れてきた。もう、感動と涙なしには、見られへん。同時に、自分も、律花吹部の一員として、ユニフォーム着てデビューできるんやいう喜びの気持ちも高まってん。, 次に、部長とDMからのあいさつ。動画から想像しとったとおりの声質で、なんか、ほんわか優しそな先輩やわ。それに、チャーミングでクールや!かてて加えて、あのユニフォームやで。かわいさマックスや。ええなあ...。あこがれるわあ。, 最後に、顧問の登場や。美形や。となりで、いっしょに動画を見とったママも、おもわず「おおっ!」。映っただけで、保護者の心を鷲掴みやわ。, 「16~18歳の3年間は、人格形成において最も大切な時期です。その大切な機会を、律花高校吹奏楽部に託してくださり、ほんまに心より感謝しております。」「親御様のご協力あっての部活動です。まずは、お預かりしたお子さんの健康・安全を第一に...」「この動画は、私が、編集いたしました。子供たちが、幾多の困難を乗り越え、青春を全速で駆け抜けていく様子は、本当に尊いものです。その純粋さ、一途な気持ちには、まばゆさ・神々しささえ感じられます。ぜひ、その成長の感動を、お子さん・親御様とともに分かち合うて参りたい思います。...」, ママは、いちいち、大きゅう、うなずいとる。パパとの会話で、こないな場面、あったかいな?, 5分間の片足立ち練習を毎日左右交互に2セットやること、自宅廊下などに5mの長さを測り、その間をM.M.=112のテンポで8歩で歩く練習を、毎日10回やること、歌えるように暗譜してくること、音出しが難しい環境の場合には、音は出さずに、指回しだけでもやってくること、等々。さらに、今後、パートごとの振付の練習用動画を配信予定であること、また週2回、決められた時間に、スカイぺを使って、練習の進捗具合などをパート・リーダーとコミュニケーションをとることなども伝えられた。また、2、3年生には、ソルフェージュと楽典の教材を、メトロノームを使いCDを聞きながら、進めておくことが示された。, はよう、技術を高めなあかん。ほんで、うちも、先輩といっしょに、あの輝きのステージに立つんや。, 新型コロナとの戦いは、まだまだ、続く。キョウコは、やがて訪れるハレの舞台を夢見、自宅練習に励むのだ。, Powered by Hatena Blog 匿名 2020/12/11 (金) 05 ... こないだ、隣の席の人が左利きで、そのあと同じ席に座った人も左利きだった。 >>4 現在、お片付けサポート・講座依頼・雑誌取材等、一切受け付けておりません。個人的な連絡も配慮、遠慮してくれと自分の要求ばかり書いておきながら500円クレ 練習してこいよww ママとwww: 次3落ちね(゜ д ゜ #): 一人やる気ない人いますね: 黙れ雑魚: 長年の勘だ、こいつは罠にかかる: クエスト 早くはって: 掩護して: 早くたすけて!!: やめろ: 心臓を捧げよ: お前たち残らず駆逐してやる: 教師ですが、生徒で割と左利きの人いるのであまり思わないです。 +5-1. 299. ブログを報告する. 音をおいかけて ピアノも下手だったし、弾いてる姿も変だったな 211 可愛い奥様 2020/12/29(火) 07:25:24.78 ID:7LkitQED0 めざましわんこ大賞だ ―――ここまで崩しておいて、ベテラン教師以上にまとめ上げられるのは、アキ先生の人柄が、まず、子ども本来の明るさと好奇心とを引き出しとるからやろな... アキ先生は、子供たちと楽しく音楽をしているとき、ふと、思い起こすことがある。それは、律花高校の吹部時代のことだ。, 当時、自分は、パートリーダーとして、DMとともに指導に当たっていた。みんなができるところで、一人、できずに、足を引っ張っている1年生の新入部員がいた。Nといった。Nは、体が硬い、運動神経が人並み以下、のみ込みも悪い、おまけに、泣き虫ときている。, 「泣いとる暇あったら、1回でも多う、練習したらどうや!1ミリでも前進しようと思わへんか。もういっぺん!」, 当時、吹部は、全国大会出場を目指していた。そのあせりからか、語調が、つい、きつくなってしまう。, Nは泣き虫だが、人並みのガッツはあった。だからこそ、切り捨てがたいのだ。支え合いが律花の伝統でもあるし...。だが、そのいっぽう、全国行きという目標達成のための部全体の運営効率を考えると、焦りから、どうしても強い言葉が出てしまう...。, そんなNが、入部して1か月たったころ、練習中、初めて、一瞬、笑顔をのぞかせたことがあった。, 「毎日、ラジオ体操やって、甘いもん控えとったら、体がよう動くようになってきたのに、今、気づいたんです。体重も4kg落ったんです。」, それからというもの、Nは、練習に夢中になり、加速度的に演奏技術が改善されていった。誉める機会も増え、他の新入部員の技量と遜色なくなった。というより、むしろ、Nは自分が苦労しただけに、他の人の苦労もみえるようで、さかんに周りに声をかけるようになり、いつしか、周りから慕われる存在、ムードメーカーになっていた。, 定期演奏会終了後、Nが1年生を代表して、DMに感謝の言葉を述べたことがあった。内容は忘れてしまったが、最後に、Nは、こういった。, DMは、一瞬、絶句した様子だったが、すぐに柔和な顔に戻ると、突然、ぷっと吹き出し、笑い始めた。その笑いが、自分自身おかしかったと見え、一段と笑いのボルテージがあがった。, 3年生はニヤニヤ見ていたが、1年生は、鬼のDMの大笑いに、はじめ、強張った表情を見せていたが、心の底からの笑いとわかると、自分たちも、なにやらおかしく感じはじめたようだった。, そのNの様子を見ていて、アキは思った。人というのは、こんなにも変われるものなんだ..。, 今、振り返ると、自分たちの指導が正しかったのかどうかは、わからない。Nを苦しめてしまったことも、多々、あったろう。けれど、Nは、いまだにOGとして、律花吹部の手伝いに行っているらしい。それが、当時のうちらの指導に対する、彼女なりの評価なんやな...有難いことや...Nには、指導のあり方を教えられた..。, はい、4年生のみなさん、お待たせしました。では、5、6年生によるミニコンサートを始めます。, 先ほどまでのお笑いとは打って変わり、中学生の演奏を思わせるような、メリハリのある演奏。4年生のつい、今しがたまで緩んでいた顔が、一瞬、強張る。だが、次の瞬間、幸せそうな笑顔に変わり、やがて、ほわーっとした、憧れの色が顔に滲みだしてきた。5、6年生の団員が、心から楽しみながら、美しいハーモニーを奏でている証拠だ。, 全国出場を狙って鍛え上げようとは、今は思わない。もっと効率よく時間管理し、統率を強化すれば...、という気もしないではないが、音楽を通じての人格形成のほうが、今は、はるかに大事ではないか。そのための、刻む時間のテンポもあるのではないか。だいいち、うち自身、人間的にも技量的にも熟していない。やけど、今の方法は、地に足の着いた確かな方法だと信じている。もっともっと子どもたちをよく見て、彼らから進むべき方向を教えてもらおう...。, 響子は、母親の運転する車で、音大の推薦入試に向かっていた。11月も下旬になるというのに、今日はいやに暖かい。楽器の演奏には、助かる。, 「上手う吹こうとしたらあかん。試験官から見れば、ボーン始めて数年の腕前なんて、文字通り、児戯に等しい。県で個人1位なんて、邪魔モノ以外の何物でもあらへん。勝負は、始めの10秒が大切や。あとは聞かへんでも、将来輝く原石かどうか、試験官にはわかってまう。音符に遊ばれるな、心で吹け。その心で、聴く者のハートを、始めにギュッと、掴むんや!」, 練習量積んできたから、あとは、自信と丁寧さやな...などと考えていた、その矢先、ドカンという衝撃が体全体を襲い、一瞬、体が宙に浮き、次の瞬間、「ガシャーン」という音が耳に入ってきた、気がした。, 視界に入ってきたのは、割れたフロントガラス、プラスチックの焼けた臭い、油の臭い...。そして運転席に座ったまま、動かない母親。, 「お母さん!お母さん! 「お断りや、こないなことしても千代のためにはなれしまへん」 ・20話 借金とりに200円を返した後 「出すのやったらもっとはよ出しさらせあほんだら」 「はなからそないなことしたらお金で千代をまたここに縛りつけてしまうことになります」 ピアノもやめさせてくれるように親に頼んだしバレエとかも体験も拒否した 子供に見せるには贅沢すぎる趣味だと大人になって知ったわ ... 生徒もやっぱりいまだに気にしてるもんなのかな . 「むかし校舎の屋上から、ここへ飛び降りた生徒がいたんだと。その時飛び散って地面に浸み込んだ血を洗うために雨が降るんだとか」 「いわゆる七不思議ですよね。ウソくせー」 京介さんはムッとして、足を止めた。 「ついたぞ。そこだ」 吹奏楽部顧問の中松は、知らせを受け、呆然とした。よりによって、なんで響子が...。しかも、入試の大切な日に... 数秒後、我に返った中松は、慌てて音大に連絡を入れる。そして、翌日、改めて音大の入試責任者の教授と会った。, 「特例を認め始めると、きりがありません。お気の毒ですが、再試験は行なっておりません。」, 中松が内ポケットから大切そうに取り出したものは、丁寧にたたまれた紙。ゆっくり開く。と、中から土と血のついた前歯が1本出てきた。無残にも歯根の途中から折れている...。, 「昨夜、懐中電灯をたよりに、事故現場、這いつくばって、探しまわったんや...。もう2本あったはずやけど...3本の前歯が、一瞬にして失われてまいました...。彼女は、口から頬にかけ断裂......将来のプロを夢見とった彼女の無念さ考えると...ウッ」, 「お待たせしてすいません。今回は特例として、これまでの実績を実技試験に勘案致します。」, 「いや...今、学部長・学長とも話してきたのですが、本学の建学の精神は、音楽を通じての人格形成にあります。この度、鈴木響子さんは、演奏家として大きなハンデを背負われてしまい、誠にお気の毒としか申し上げようがありませんが...、ある意味、普通の人には経験できないような、すばらしい人格形成の機会を得られたのかもしれません。...筆記試験の方は、大変、優秀な成績だったようです。今は、合否は申し上げられませんが、きっと、他の学生の範となってくれることでしょう。」, 口には、まだ、痛みが残るが、なじんだ重さが、しっくりと、手に吸い付く。忘れかけていた演奏の歓びが、ふつふつと沸き起こってくる。なんだか、すぐにも、以前のように吹けそうだ。, なんや、この音?イメージとは全く異なる音に、衝撃を受けた。他人の音?これでは、中学生が吹部入りたての音だ。何回もやってみた。でも、どうあがいてみても、以前の音のカケラすら出てこない..。, 事故のショック以上に、自分の音を失ってしまった衝撃による悲しみの方が、はるかに大きかった。音こそ、自分の歩んできた人生のそのもの、生きてきた証し。それが、無残にも打ち砕かれてしまった...あまりのショックに呆然とした。ただただ、涙がとめどもなく流れ下る...。, 中松先生はじめ、自分に影響を与えて下さった先生方は、音作りの技術だけ教えて下さったのではないということを。音楽を愛する心、音楽に対する情熱こそが、指導の核だったということを。, その核があったからこそ、どんなに厳しい指導にも愛がこもっていたし、また、人格形成とともに、音も向上していったようにも感じる...。, そう思い至ったとき、心は決まった。自分も、中松先生と同じ、音楽指導者としての道を歩もうと。次の世代の子たちに、これまで自分が受けてきた音楽への情熱の、恩返しをしよう、と。, 教員採用枠は、欠員が常にあるわけではない。ましてや高校音楽科の枠は少なく、今年、1名の募集枠に15名が受けた。国立の音大出やら、浪人組も大勢おり、響子は、残念ながら、現役合格がかなわなかった。しかし、有難いことに、とある公立高校の校長から、ぜひ、臨時任用教員に、とお呼びがかかった。, 「な、響子。このタクトはな、幸運のタクトや。全国金賞5回経験しとるタクトや。これ、やる。」, 「アホ。このタクトで、ワシを返り討ちにしてみい。そのくらいの恩返しが出来へんで、どうする。」, 大阪キャッスルホールのアリーナ入口に、マーチング衣装につつまれた吹奏楽部員を引き連れた、響子がいた。, 「あはは..。武者震いや。ちょい、フライング涙やったな。もう、前向いて、突っ走るしかあらへんで!」, 「うわあ、真っ白なお部屋。レースのカーテンもかわいーーー!いいなあ。あこがれちゃうなあ...あ、まっ白い電子オルガン!すっごーい!!」, うちのアップライト---それもママのお古---に比べれば、超立派!中学の吹奏楽部でドラムをたたいているミユウの姿しか知らなかったので、意外。, ミユウが電子オルガンに向かう。その姿勢からして、なんだか違った。そして、数秒後...。, いきなりファンファーレが鳴り響き、ミユウの部屋が、グオーーーーッと、スペースウォーズの世界に変わった。トランペット、ストリングス、ホルン音と続く、ドラマチックなオープニング。, 続いて、キラキラ音にピッコロ音が小さく重なって、部屋は、今度は、星がきらめく果てしない宇宙空間になった。, それからストリングスが不気味なうねりをはじめて、ペダル鍵盤上を足が激しく動く。打楽器の連続音やブラス音が、反乱軍のテーマを高らかに奏でる。そしてティンパニが激しくリズムを刻むなか、今度はマイナーに転調。うー、なんか怖そう...。部屋に、いまにもダークベイザーが入って来そう。. 先週は始めて、全裸でピアノの練習させました。 直美の全身の筋肉の躍動感見て、興奮してしまい。 ピアノの演奏させながら、胸揉んだり、首筋舐めたりして楽しみました。 練習終わった後は、M字に開脚させて、奥まで、たっぷりはめてやりました。 これまで生きてきた世界、そして、今生きとる世界を、幸せに満ちた香しき流れへと変えてくれる... ひとしきり演奏し、それが終わると、先輩は、ゆっくりとマウスピースから口を離し、そして誰に言うともなく、呟いた。, きっと脳裏には、自分を香しい世界へ導いてくれた仲間たちの笑顔が浮かんではったに違いない。, 「2月の吹奏楽フェスティバル以降、強豪校の監督さん、うちらのコンサートに、よう来てくれはるよう、なったわ。」, 「はは..。冗談や。…そやけど、ライバルとして認めてもらえるようなったんは、手ごたえあってええわ。」, 細かく書き込んだ文字は、読まずとも、すでに記号と化している。呼吸法や奏法、高速トリルの使い方など、考えなくても自然とやってしまっているから、音符も含めて譜面全体が、すでに'美しい景色'と化しているのだ。模様の確認。, 純正律の響きを得るために三度を低めに取るかもしれんし、間の取り方、タンギング、呼吸法による音の違いもある。それから何小節単位でのまとまりもあるし、リフレインにしても、前後の展開を考えれば単純な繰り返しはない。ソリの部分では、パートとして、呼吸法やタンギングなどを統一させたうえでのハーモニーの豊かさ、そして、なにより、周りとのバランスを考える。次小節以降の展開を考えた上での終わらせ方の工夫も必要や...。, 練習で、顧問のダイナミックな指揮に、うちらの技量が追いついてくると、信じられへんこと起きた...。, 次第に、顧問の指揮の本当の意図も、よく分かるようになってきてきたし、進化に、スピードがついてきた。, 彼女たちは、自分たちの迫真の演奏が、聴衆を飲み込んでしまったことに、まだ、気づいていない。, コンテストの日まで、彼女たちは、いったい、いくつのステップを駆け上がり、演奏は、どれほど、その輝きを増し続けるだろう。, 偶々(たまたま)だったかもしれないが、縦がなかなか揃わない、あのくすんだサウンドは、いったい、何だったのか...。これから演奏されるこの曲には、じっくり聞かせられるだけの清澄な、そして柔らかなハーモニーが必要なのだ。以前とそのまま変わっていなければ、陰鬱なだけの「カンタベリーコラール」となってしまうだろう。, そこへもってきて、顧問の指揮は、金管楽器の華やかさ、豊かさが売りだったはず...。, それらを考え併せると、律花とカンタベリーコラールとは、どうもイメージ的に結び付かない―――と思っていた。, 演奏が始まって、たった10秒で、その世界へ引きずり込まれ、感動の涙がとめどもなく出てきた。震えが止まらない。, 女子中心の律花ならではの、柔らかい息遣い、洗練された響き、丁寧な音楽運び、よく練られた構成など、かなり繊細な音づくりがなされている。, 針の穴に糸を通すような、雑味のない絶妙なバランスのピュアなハーモニーでありながら、終始ゆったりした、幅のある律花の演奏で、そこには美しさ、暖かさ、敬虔さが感じ取られる。とくに冒頭から提示される旋律は、高揚しても、どこまでも品位を失わない演奏を保持している。, ホルンとユーフォ、ソプラノとアルトサックスのアンサンブルで二度繰り返される変奏が見事であり、心にいつまでも残る。ハーモニアスなソリが、それぞれの音色を活かしあって、奥深さ、そして優雅さを描き出している。. リアリズムに敢然と背を向けた、大人のための童話劇。向田邦子賞・テレビ大賞・ギャラクシー賞を独占受賞し、朝日新聞紙上で丸谷才一氏が絶讃した傑作中の傑作。 あにこれは、おもしろいアニメがみたい!アニメ選びで失敗したくない!そんな仲間達のためのランキング&口コミサイトです。あにこれでアニメをさがして教えて語り合おう! !」と呼びかけた。その声に、母親も、初めて我に返り、後部座席に乗っていた響子を振り返った。次の瞬間、母親は、目を大きく見開き、驚愕の表情に変わった。, その時、はじめて、制服の前に血が飛び散っているのに気づいた。そして、口の周りがぬるぬる血だらけなのに気づいた。とたんに、痛みが襲ってきた。, CTスキャンによる脳への異常はなかった。しかし、衝突のさいの衝撃で、口輪筋が断裂し、前歯も3本飛んでいた。, ショックの大きさから、漠然と(音大入れないのか...)という思いしか、起こらなかった。いや、起こせなかった。そこから先のことは、思いを及ばすことすら怖かったのだ。視界には、無機質な病室の薄ら明るい天井が広がるだけだった。. 美しきマーチング 146. 新生へのプレリュード こんどは、クラリネットで演奏しながらだ。音の調子とのタイミングを確認しているのだ。そして... 気づいたときは、元のテンポに戻っていた。周りの光の輪の中には、何人かの同級生の姿も加わっていた。, 吹奏楽のマーチングでは、アンブシュアを安定させるために、音のリズムと所作とを連動させるのは当たり前となっている。呼吸の安定のために体幹は、常に維持されるべきものである。そのため、体幹は硬直化する。上半身と下半身とは、別々に動かすことは、まずしないし、できない。, ところが、律花の吹部員は、体幹が柔軟になっている。じっさい、彼女たちが演奏しながら踊っているさいの 'ベルトの動き' に注目すると、ほぼ、全体がそろっている。それはちょうど、マラソン選手たちの頭の動きと似ている。上半身と下半身の体幹とがフレキシブルに結びついている証拠だ。, それだけではない。これまで、何曲ものダンシング・マーチングを繰り返し、音のリズムと振付のリズムとを融合させる術を、体にしみこませている。ダンスの拍と音の拍とを、それぞれ別個のものと認識しながら、見事に融合させることができるのだ。, さらに団結力と持久力、そして笑顔が加わり、世界で唯一無二のマーチングが可能となるのだ...。, 律花のパレードが、SwingSwingSwingを舞いながら、特設ステージのあるコロラド通りに入ってきた。, カラーガードは、最後尾を仕切る隊と、中央部との二手とに分かれている。そして、センターにはDMのヒナ。, ヒナの笛で、一瞬、隊列の動きが止まる。観客が、静まり返る。次の瞬間、トランペット隊のファンファーレが鳴り響き、パレードしながらの万華鏡フォーメーションが始まった。, 同心円状の散開、いくつもの風車の回転、多重四角形のぐるぐる、そして、その緩急の間をフラッグをもったカラーガード隊が、疾風のごとく縦横に駆け回る―――しかも、一人一人の部員たちは、演奏しつつ踊りながら、全体として統率のとれた、流れるようなフォーメーションが展開され、パレードは進んでいくのだ!, 特設ステージは、一瞬、静まり返る。そして、つぎの瞬間、これまで見たこともない高次元のパフォーマンスに、コロラド通りは興奮の坩堝と化した。賞賛と歓喜の嵐は、いつまでも続いた。またしても、律花が、マーチングの革命を成し遂げたのだ。, 今後とも、感謝の念がある限り、見事な「恩返し」は続けられ、マーチングの変革の旗手として、律花はどこまでもどこまでも変化しながら輝き続けていくことであろう。めくるめく、美しい万華鏡の世界のごとく...。, 練習室には、1、2年生が集まっている。さきほどまで、今後のことを話し合っていたのだ。, これまでなら、「頑張って...」という語を使えば、いくらでも夢を描けた。明るい未来を膨らませることができた。自らの発する言葉に高揚し、沸き起こるエネルギーに酔いしれることもできた。, しかし、新型コロナのため、コンテストはすべて無くなり、イベントも無くなり、「頑張りようがない」。やがて、話し合いは袋小路に陥ってしまい、まとめようがなくなってしまったのだ。, どの団員も肩を落とし、胸には悲しみのインクが広がり、虚無感から、皆、黙りこくっている。, やがて3年生が登場しさえすれば、何らかの方向性が示されるかもしれない。今、前進するための一縷の望みは、それしかない...。, 1、2年生は、なにか、不思議なものをみるかのように、皆、無表情に、部長の顔へ視線をなげかける。, 「たぶん、3年生が方向性を示さな、皆、動きようがあらへんやろ思うて...。」「3年生は、決めたで。」「その前に、皆、なぜ律花吹部に入ってきたか、あらためて考えてほしい。なんで律花でなければならへんかったのかを。」, 下級生たちの視線は、しばらく宙を漂い、数秒ののち、五線譜黒板の横に注がれた。そこには、「笑顔・元気」と書かれた紙が掲示してあった。, 「そうや。つねに、元気に笑顔を持ち続けることが、輝きを生み出すんや。」「輝きは、最初から、そこにあるもんやあらへん。一人一人、態度として持ち続けることで、たとえ、どないしんどい練習のさ中にあっても、輝きの集団の練習になるんや。」「吹コン、マーコンは、その輝くための手段のひとつや。」「勝敗だけで言えば、悔しいけど、ここ、数年、全国行きを逃しとる。やけど、皆も知っての通り、動画再生回数、つまり、世間の人気ぶりは、ダントツ全国一や。有難いことや...。こないな吹部、あるか?こら、ゴールド金の常連校どすら、できひんこっちゃ。そういった、普遍的価値を生み出してきたのは、代々の先輩たちが守り通してきた、このスローガンなんやな...。」, 「…もう、どないしたらええか、わかったやろ。」「まず、律花吹部らしくあること。これが、まず基本や。」, 「そのうえで、や。...、3年生からの"お願い"や。来年度のコンテストでゴールド金、取ってくれへんか。」, 「唐突すぎて、なんか、言うとること、一貫性あらへんように聞こえるかもしれへん。」「みんな、『陳腐(ちんぷ)化』ちゅう言葉、知っとるか?」「いまは、先輩たちの遺産が、まだ、生きとる。せやけど、もう何年かしたら、御利益(ごりやく)無うなる。うちらやっとることは、新味がのうて、飽きられてまう。集客力がななったら、お呼びが、かからへんくなる。一地方の一高校の一部活になってまう。吹奏楽は、感動してくれはるお客さんがおって、なんぼの世界や。」「それに、地域での安定評価が長期間定着するには、ステイタス、つまり、タイトルも必要なんや。タイトルないと、だんだんお呼びがかからへんくなってまうし、たとえ呼ばれても、パレード順位が下位になってまうんや。それやと、先輩に申し訳あらへんし、栄光の律花の看板に傷がつく。」, 「コンテストが閉ざされた、うちら3年生にとって、残り半年間、愛すべき部のために最後にできることは、自分の輝きを強めることよりも、吹部を全国金賞レベルに育て上げて、未来へ続く変革の先頭に立つことや。」「そのために、まずは、尼崎マーチングフェスティバルのレベルにまで、早急に1年生の技術を引き上げることや。これが、短期的な目標。」, 「そのために、3年生がマンツーマンで、1年生を特訓で鍛えたる。」「それから、ええ意味で、互いに高めあういろんな機会を作り出そう。個人発表会なんてのもあってもええかも...。みんなからも、どんどん、アイディア出してえな...。そないな自己表現の場をふやし、つねに音作りの志を高う持ち続ける限り、道はどんどん拓けていくはずや。ほんで気づいてみたら、部全体ステップアップしとった、となるはずや。これが、もう一つの柱や。未来の律花吹部員にも、『一人一人が輝ける...』て言わせたいんや。」, そのとき、一人の1年生が、気が付いた。部長の笑みのほっぺたに、白い筋の跡が、かすかにあったのを。, 1年生は、視界がだんだんと滲んでいくのを感じながら、そっと目線を落とした。真心が心に沁みる。, もう、ふた昔も前のこと。出町柳で五山送り火を見ていたとき、近くにいた、いかにも生粋の京都の女(ひと)のつぶやきが、いまでも耳に残っている。, 多くの吹奏楽団体は、去り際の後ろ姿を、あまり意識していないように思われる。 しかし、律花高校は違った。 とくに、最後尾を飾る、フルート隊の妙技は、見る者の目を最後まで惹きつけて離さない。, フルートを激しく斜め上に振り上げたかと思うと、次の瞬間、今度は斜め下に大きく振り下げ、激しくジャンプし、空中で音を出すのだ。律花のかわいらしさ、元気さ、笑顔を爆発させ、隊列を見送る者へ夢をふりまきながら、綺麗に余韻を残しながら去っていくのだ。 常識を超えた、無重力の中の妖精たちのダンス――――心を奪われぬものなど、おらぬだろう。, フルートという楽器は、初心者なら、ちょっとした向かい風で、すぐに低音アウトである。また、右手小指と左手人差し指の付け根、そして唇の3点支持で不安定だ。しかも、右手の甲が水平の方がキーを押しやすく、そのため、右手側を、やや下げて演奏するというのが常識なのだ。だから、ジャンプしながら激しく上下に振り回しながら空中で音を出すと聞けば、開いた口が塞がらない。できるわけがないのだ。だが、それを、いとも簡単に、やすやすと、心からの悦びとともに演奏演技してしまうところに、律花フルート隊の凄さがある。常人を超えた、妖精たる所以がある。, さて、その彼女が2年生の1月になったとき、あれほど賑やかだった律花の大フルート隊が、彼女1人になってしまった。同級生の親友と唯一の下級生は、他のパートへ転出してしまったのだ。, しかし悲しんでなんかいられない。 パレード最後尾を飾り、綺麗に余韻を残して去っていく―――その重責を担うフルート隊としての矜持と喜びとを、なんとしてでも、次の世代につないでいかなければならない、その卓越した技術とともに...。 彼女の演奏の確からしさ、そしてジャンプ力や元気さは折り紙付きだ。そして、彼女には、何といっても「花」があり、「品」があり、そして「芯」があった。それゆえ彼女の演奏演技は、一人でも十人前の輝きを放った。 たった一人で、「かくあるべき」伝統の律花フルート隊であり続けようとしたのだ。 そして、彼女は見事に、それをやりぬいた。, ブラスエキスポまで1か月。 この1か月間で、何としてでも、「律花のフルート隊」に仕上げなければならない。技術も、そして、魂も。, ふつう、ジャンプしながらの演奏は、アンブシュアは崩れるし、だいいち、鋼鉄の肺と、並外れた持久力とが必要だ。それが出来るようになるには、楽器にもよるが、一般的には1年~1年半くらいはかかるといわれる。, しかし新入生5人は、たった1か月で、みごとに「律花のフルート隊」に成長していた。 不可能と思われたことが、実現された。 伝統の襷は、見事につながった。, しかし、彼女の喜びの大きさは、察するに余りある。ブラスエキスポの彼女は、だれよりも高くジャンプして演奏し、先導者としての矜持を示した。, やがて...1年生が成長するのを見届けるや、そして彼女は、香しい余韻を残し、静かに退いていった。, 新型コロナで、今年度の吹コンもマーコンも、中止になってしまった。 律花吹部では3年生が、今後の活動方針を話し合っている。 音楽室の湿度が高いのは、雨のせいだけではないだろう。, うちら、後輩の土台になるのんは、本望や。うちらやて、そうして代々の先輩の汗と涙の上に育てられてきたし。それが栄光の律花吹部の「伝統」ちゅうもんや思う。せやけど、その前提となる、後輩を含めてみんなと一つ心で、なんかを戦うたゆう、強烈な体験 -------- 心から嬉しい、悔しいちゅうた、ともに分かち合える体験 -------- じゅうぶん、あったやろか。それがあらへん肥やしは、腐ってまう。, たしかに、今年度の全てのコンテスト閉ざされた3年生部員が、1年生新入部員のマンツーマン指導まわるちゅうは、来年のコンテストに向けての立ち上がりの早さちゅう点では、アドバンテージになるやもしれん。やけど、3年生は、まだ、団員や。コーチちがう。後輩とともに、成長していかなならんし、律花の魂を、後輩とともに盛り上げ、自身も高めていかんならん。後輩とおんなじ目線、おんなじ時間を共有して、ともに泣き、ともに笑う時間もなければならへんのや。それが、「伝統の礎」ちゃうやろか...。, 他校の中には、今年度のコンテスト中止になったのをきっかけに、来年度の全国進出一本に目標を絞り、はっきりと、3年生はフォローにまわるゆう体制をとったとこも、あるやろ。9月から新体制に入るいうとこもあるようや。課題曲も一緒やし...。せやけど、それで、ええやろか。吹コン,マーコン閉ざされた3年生は、それだけでお荷物なんやろか。律花は、ピラミッド型の指導体制やあらへん。これまで、みんなで助け合い、高めあい、やってきたやんか。それが、うちの伝統や。それに、仮に2年がかりで全国行ったとしても、もう、その次の年は続かへんで。, うん、そうや。律花の演奏演技の神髄は、コンテストなんか超えた感動演奏にあるのちゃうやろか。ほんで、こないな時やからこそ、元気いっぱいに、夢をみんなに与えられることこそが、律花らしいやんか。ある意味、律花の元気を爆発できる、またとないチャンスや。ぶれへんで、これまでやってきたこと、続けよう。王道を行くんが、律花やあらへんか。音作りと、感動演奏・感動演技で、みんなの心を明るうしよう。律花らしゅう、輝こう!, ありがとう。やっぱし、みんな、思うとった通りの律花吹部の魂、持っとった...。約束しよう、他校が経験できひんような強烈な経験の舞台を用意したる。それが、君たちの気概に対する、わたしからの感謝のしるしや。, 「パレードの時は...律花のパレードはな、他校と違うて、踊るやん。オーボエはリードが刺さってまう危険があるし、伝統的に、パーカス隊か、カラーガードやることになっとるんや。かんにんな...。」, 小学校からドラムをやってた同学年のミユと比べ、パーカスなんて、ウチは全くの初心者や。, 「シンバル...やな。そんだけ線が細いんと、いきなりのバスドラは、ちょいかわいそうや..。うん、シンバル。」「ところで、シンバルなんて、サルでもできる思うてへん?」, 「サルやと、できひんで。絶妙なタイミングで上下ずらしてたたかんと、いい音、出んのや...。」「『絶妙なタイミング』って、わかるか?」, 「ええか。同時やと間に空気が入ってしもて「バフッ」と、情けのう音になる。ずれすぎると、今度は音が鳴らへんのやあ。」, 結局、春先のブラスエキスポには出させてもらえず、えらい、悔し思いした。 やっぱし、全国レベルの吹部やった。 せやけど、それからパーカス楽器を色々やった。 バスドラは重すぎて、はじめは背筋吊ったけど、がんばった。案外、体揺らしながら叩いたほうが、筋肉がほぐれることにも気づいた。 グロッケンは、ピアノやっとったのが少しは役にたち、むちゃくちゃ練習した。やけど、ダンスしながら見ないで叩けるほどの先輩のレベルには、とうてい追いつくことなんか、できひんかった。神業や。 ほんなこんなで、半年間、頑張ったころ、晴れて、律花吹部一員として、アメリカでのパレードいう大舞台に参加できたねん。 もう、うれしうて、うれしうて...。パレードのカーブのところで、シンバル持って思い切りの大ジャンプになってん。, 「リン。いままで、ダンスの様子など、いろいろ見してもろたけど、カラーガードにぜったい、向いとる。」「あんたの体の重心、他の子より高いとこにあるぶん、見栄えがするんや。体幹も柔らこう上半身と下半身フレキシブルにつながっとるんで、手足の所作泳がへん。自然、メリハリ生まれとるんやな。リズム感、運動神経もよい。こら、あんたが持って生まれたもんや。こんだけ恵まれた子は、めったにおらへん。今年から、カラーガードや。えーな。大いに期待しとるで。」, フラッグの場合、何拍めに、どこの位置を、どないな状態で旗が通過するのか、覚えなあかんし、そのためには、1拍前の旗の形状、ポールの傾き具合等も、あらかじめ考えなあかん。屋外では、風向きもや。, バレエやってた子は、だからフラッグも優雅で、それでいてメリハリもあるんやわ。ウチと全然、違うやん。フラッグの風を切る音も、ウチとは違うんや。, ウチも、フラッグを毎日、家に持ち帰って、夜遅うまで、その日の復習した。毎日、毎日の練習を、その日のうちに、体に覚えこませていったんや。 それが実ったんか、上手なってくのと同時に、カラーガード隊の中での隊列の順位もだんだん前になっていった。, DM権限で、カラーガードのフォーメーション動かせば、パレード正面から見たとき、バナーの向こうにDMがストレートに見えるようできるはずやのに、カホはそうせーへんかった。むしろ、ウチを、バナーの真後ろに据えたんや。, で、カホに言うたんや。「パレードの主役はDMや。ウチらガード隊は、花を添える役や。」, 「あ、あれな。うち、最初に、リンのオーボエ聞いたときに、ピンと来たんや。」「こいつ、普通のヤツやない。」, 「いつか吹いてた『白鳥の湖』な。あのオーボエ。あんだけ色んな情景が、目まぐるしく浮かんでは消え、浮かんでは消えしたんは、はじめてのことや。びっくりやったわ。すごい、描写力、表現力や。」「普通のひとなら、表現が語りすぎて、鼻につくんやけど、リンのは、素直にふわっと、浮かんでくるんや。それでいて、人の頭ン中に、はっきり情景を描かせるんや...なんか魔法のようなもんを感じたんや。こいつは、たんなる器用やない、魔法使いやな..と。」, 「な。カラーガードも、心で踊っとるのがわかるんや。何やっても、本質を掴んどる。リンこそ、律花吹部の看板にふさわしいんや。」「リンほど多才で、努力家で、いろいろな花を咲かせられる人はいーひん。」, ウチに花があるかどうか、わからへん。正直、必死であがいてきただけや。やけど、カホが、そうまで言ってくれはるなら...、それで、ウチも腹を据えたねん。. 生徒たちも、素直に、顧問を慕い、自己変革を行っていかない限り、到底達することのできないレベルの演奏だ... 私は、鳥肌が立っていた。それでいて、うっとりとしたまま、幸福感に浸ってもいた...。, 気付くと、周りは、割れんばかりの拍手に包まれていた。そう、拍手をすることすら忘れさせてしまうほどの衝撃的な名演だった。, 観客の誰もが、その'奇跡'を確信し、その奇跡に感謝し、それゆえ、誰も、さらなるアンコールを求めようとはしなかった。, 私は、この奇跡の場に居合わせ、最上級の豊饒の世界に身を委ねられた幸福に、感謝せずにはおられなかった。, 律花は、その独自の、ダンス・アンド・マーチングで人気を博してきた。あえて、バタ臭さ、荒削りの部分を一部取り入れることで、生徒たちの若さを爆発させる余地を残した。そしてその躍動は、見る者に高揚感とエネルギーとを与え、会場全体を、生きる喜びで満たした。だがその一方で、なかには律花の演奏演技自体を「奇矯な..」としか評価しない向きもあった、残念ながら..。, 華やかな金管の音色と音圧のある中低音との抜群のハーモニー、ダイナミクスのある豊かな演奏とあいまって、その振付は、丁寧で、清らかで、躍動感に溢れ、統率がとれ、潔さと誇りとが感じられ、そして、それらがすべて自然に受け容れられる域にまで達していたのだ。おまけに、終わった後の心地よい爽やかな余韻。これを「美」と言わずして、何と言おう。, しかし、それらの演技に至るまでの過程に思いを馳せた時、愚直ともいえる鍛錬の日々が背後に感じられるのだ。毎日丁寧に手間をかけ続けることで磨かれる美があることを私たちは知っている。そしてその姿勢の永続性に魅かれるのだ。, また一方で、儚い点、無常である点にも、日本的な美が感じられる。彼らは3年間で燃え尽き、そして、年々、更新されていく。青春のすべてを捧げての、眩いほどの魂のきらめきーーーだからこそ、日々の鍛錬と相俟って、尊く、そして美しいのだ。律花の演奏演技を見て、感涙を催す人を何人も見た。, 仲間との連携による集団美や空間美の創出、緩急・間の取り方、楽器の扱いよう、さらに終わった後の余韻にいたるまで全てに気を配る、細やかな姿勢が行き届いている。, しかも、それらに全然、作意が感じられず、またある意味、細かく作りすぎているにも関わらず、少しも、うるさく見えない。, それは、日頃の鍛錬と習慣づくりにより育まれ、無駄な所作は淘汰され、日々、更新され続けている成果なのだろう。, こういった、いわば日本的な「道」の姿勢のなかの、個々の、そして組織としての『美しい心の持ちよう』が、具現化した結果、作為は無くなり、美のシンフォニーへ昇華したものと考える。ある意味、多くの団体にみられる作為から成り立っているマーチングドリルのなかにあって、美の本質とはかくあるべきという、対極を提示している、一種のアンチテーゼにすら思えてならない。, 律花のすごいところは、たとえコンテストの場であろうが、自分たちの演奏演技を見る者聴く者に、究極の「美」の圧巻演技で迫り、内省させてしまうところにもある。だが、決して驕らない。そこが、奥ゆかしくもあり、美しくもあり、そして爽やかである。, 202x年、ICTとAIを応用した「コンテ生成ソフト」の出現により、マーチングは大幅に進化した。, 個別認識技術と動体追跡技術とを応用し、マーチング映像から、団員一人ひとりの、譜面にあわせた動きが、詳細に解析できるようになった。, そう、全国金賞のドリルも、ある程度の俯瞰映像さえあれば、個々の団員のそれぞれのタブレットに、8等分された5m方眼の正方形の集合上に、動くコンテが示されるのだ。, もちろん、オリジナル・コンテの作成も可能。団員を表すドットをくくって、行進、散開、回転、左30度後退などのパーツを組み合わせれば、ドロウイング・ソフトウェア感覚で、コンテが自動生成されるし、「花」、「星」、「楕円」、「歩く人」、「文字」など、作りたい形を選択すれば、形から形への81人全員の拍ごとの動線が示される。もちろん、弧やS字を描いた動線も可能であるし、部分的なマニュアル補正も可能。さらに、豊富なコンテ部品ライブラリーも付く。, こうして作成されたコンテは、各団員のタブレット上で、流れる曲と連動して、拍ごとの81の動点が楽器アイコンの動きで示される。自分の動点は常に点滅。さらに、俯瞰してドリル全体を見ることもできる。これで、まず、全体像を理解する。, さらに、バーチャルリアリティ技術を用いたゴーグル型モニターの装着も可能だ。こちらも、コンテに合わせてプログラムが自動生成される。ゴーグルを装着すると、イヤホンからの曲に合わせ、まるで自分がドリルの演技中に放り込まれたような疑似体験映像が視界全体に広がり、動き出す。振り返ると、後ろにも動く世界が広がっている。3Dレンダリングされた周りの団員も自分といっしょに動き、自分の目線からのライン合わせの目安やタイミングもわかる。自分の次の1歩の位置や、数歩先の動線まで映像中に示される。これは主として、フロア練習のできない、自宅練習用。, また、オプションとして、天井に吊り下げられたプロジェクターからの投影により、コンテが識別記号付きの光の点でプロジェクション・マッピングで示される。実際のフロアの、やや、俯瞰した位置から繰り返し見ることで、体感的なイメージとしてとらえやすいし、また、その中に入って、実際に歩調などを確認することもできる。. そのピアノを、あなたに下すったのよ。 大きな青い目をして、音楽が好きなためよ。 ジョウは、そういって、今までに見たことがないほど、たかぶって、ふるえているベスを、おちつけようとしました。 グロッケンは、ピアノやっとったのが少しは役にたち、むちゃくちゃ練習した。 やけど、ダンスしながら見ないで叩けるほどの先輩のレベルには、とうてい追いつくことなんか、できひんかった。 嫉妬心よりも、こんな素晴らしい人と、仲間としてやっていける喜びのほうが大きかった。ミユウの電子オルガン以来の衝撃だ。直感的に、ホノカとは親友になれそうな気がした。京都まで出てきて、よかった... 「何のために、京都まで出てきたのよ!あなた、悔しいと思わないの?」夕飯時、興奮気味に嬉しそうに話すリノンに、ママはあきれた表情をみせた。, 「いまは、悔しい気持ちと、嬉しい気持ちと、半分半分。親友になってくれそうな、すごい人がいる場所に来られたことが、私、まず、それがうれしいの。」, 「...そっか...、そのくらいの度量も、まあ、必要ね...。ママ、信じているから。」, 「リノンさん..ありがとう。わたし、久しぶりのライバル現れてくれて、うれしくて、うれしくて。ぜひ、友達になってくれへん?」, 「こちらこそ。ありがとう。本当にうれしい!ホノカが親友になってくれるんじゃないかなって、なんとなく予感してたんだ...。お互い頑張って、吹部を盛り上げていこうね!」, 「1年生、いいか。何の楽器から始めるか、発表するで。」「シンバルは、○○さん、△△さん、□□さん、シロフォンは...」「ドラムはホノカさん。ホノカさんは、ドラマー専属で、ほぼ決まり。」「最後にリノンさん。リノンさんには...じつは揉めたんやけど...一通りやってもらうで。」. こういった、技術革新により、これまで4か月以上かかっていたドリル練習が、わずか1か月足らずで仕上がるようになったのだ。ただし、ここまでの機能をフルで揃えるとなると、高級車を買うくらいの費用がかかるのだが... そのため、どこの高校でも、ネット配信が有料になってしまったのは、無理からぬことであろう。, 「マーコンで、どの出場校も超絶ドリルばかりで、差のうなると、結局、金賞もらえる主な基準は、あとは音だけやな。」, 「音だけが勝敗基準なら、付属中学からの持ち上がりが大勢いる250人からいる大所帯のところには、かなわへんで。」, 「そやな...。うちら参加しとるマーコンは、芸術点は無いからな...。技術革新したのに、審査基準は変わっとらん...。結局、大手の高校に打ち勝って、全国進出するには、ドリルは行きつくところまで行ってもうた以上、あとは音に全エネルギーを集中するしかあらへんな...。」, 「それって、単純に「楽しい」か?…うち、ひとりひとりが輝けるから、見てくれはるお客さんも感動してくれはるんや思うて、この吹部入ってきたんや。やけど、新システムになって、マーチングには、ゆらぎも、あそびも、のうなってもうた...。万事、スマートや。工程に沿って周りといっしょに仕上げてかならん。それができひんようだと、全国出場も無理や。ダンスを取り入れて...などという、一分の隙もあらへんやろ。結局、今後、全国金賞の常連校に進学希望者が集中してしまうで。お金もあるやろし。」, 「仕方あらへんやろ...。すごいドリル・すごいハーモニーちゅうた、団結の美しさづくりに、個人のエネルギーは昇華させるべきなんや。全員、音高に行った子に負けへんくらいの音を出せるレベルにまでならへんと。個人の青春エネルギーの爆発なんちゅう、そんな余裕はないことは、わかっておるやろ。」, 「うーん。強いものは、より強うなるかあ...。ダンスしつつの演奏も、おしまいやろか...」, 結局、ICTの革新と、旧態依然の選考基準に固執し続けるコンテストにより、強いところは、ますます強く、弱いところはますます弱くなり、格差が拡大した。強豪校には生徒が集まり、潤沢な活動費はICTを利用したマーチングの革新を可能とし、ますます演奏演技が強くなっていった。結果、この少子化のなか、優秀な生徒はますます強豪校へ集まってくる...というサイクルができつつあった。そう、2020年代は、ICTやAIの発展による貧富の差が急速に拡大した年代となったのだ。, ナナは、思った。―――うーん、「普遍的価値」って、なんだろう。歴史、民族、性別、世代をこえて伝承されていくもの...やろか。, うちら吹部の先輩たちの動画のコメントを見る限り、国・人種・性別・宗教などを超えた、賞賛の嵐や。再生回数も2億回超え、日々、全世界からの様々な言語でのコメントが途切れることがない。こら、世界無形遺産並みの普遍的価値ちゅうものちゃうやろうか。, やけど、律花吹部がマーコンのゴールド金から離れて久しい。強豪校へ進学した、中学の同級生が、全国金を取っているのを見ると、羨ましくも感じるし。, 「すまん、すまん。ナナは、とてもいいところに気づいた。…そう、ちょうど、頃合いを見て、皆に話そうと思っておったところや。今日の練習後のミーティング時に、私の考えを述べよう。ありがとう。」, 「今日、ナナが私の所へ来て、大切なことを話してくれた。まずは、ナナに感謝や。ありがとう。」, ―――宮廷音楽家だったはずやから、最初から十分、評価されとったと思うた...ナナは思った。, 「ええか。本物は時の流れのそげ落としを乗り越えて、後世に伝わり、何年経っても輝きを失うことはなく、いつまでも愛され続けるものなんや。」, 「ホンモノになるには、どないしたらええか...それは、ひたすら高みを目指して演奏演技を磨き続けることや。そして、その一つ一つが、本当に美しく、尊い作業なんや。」「既に、うちの吹部は、きみら先輩たちが築きあげてくれた評価が生きとる。大切なのは、そのポリシーを貫き通す強い意志と信念や。自分を信じる力、夢を信じる力や。」「マーコン、吹コンは、大切な基礎を高めるための重要手段であって、目標ではあらへん。」「君らの目標は、万人の心を震わせ、熱い感動を湧き起こすような、律花吹部らしい演技ができることや。」, 「単純に、言おう。―――先輩を超えろ!―――その努力の過程で、言葉ではなく、心と体で、より高次元の気づきと喜びとが得られていくはずや。それが、芸術の継承というもんや。これからも、みんなが善き継承者であり続ける限り、律花吹部は、輝き続けるんや。」, 「したがって、私が顧問である限り、音作りやドリル練習も大切だが、律花独自のダンス・アンド・マーチングの伝統も、進化、継承、そして発展させていくつもりだ。」「いつの時代においても、技術進歩に飲みこまれてしもうては、大切なことを見失ってしまう。それは、代々の先輩たちが築き上げてきてくれた『律花の魂』や。ここにおることに安住することなく、まずは、より魅力的な自分になってほしい。そして、互いに影響しあい、たえず革新を続けていってほしいんや。その愚直さが尊さを生み、そして普遍的価値へとつながっていくんや。」, ナナは、感動で、胸のつっかえが、一気にスーッと晴れていくのが分かった。パーッと、視界が開けていくのを感じた。, コロナ禍で活動できないのが、なんとも、しんどい。ここ1,2ヶ月の間、大学受験準備のため、早期退部をする者が何人も出ている。どうにかしたいが、自分一人の力では何ともできない。この息苦しさ、やるせなさ。, DMのリホは、自宅窓から梅雨空を恨めしく見ながら、去年の秋、前DMの先輩から申し伝えられた場面を思い出していた。それは、パレーディング帰りの雑木林の小径を歩いていた時のことだった。, 「…唐突やけどな、リホ。吹部、誤った方向へ進みだした時、だれが、最初、声を挙げるべきや思う?」, 「そや。ジャンヌダルクになれるんはDMや。覚えときや。先頭きって、未来の部員のための、吹部の肥やしになれるんは、飾緒付けたDMの'特権'や。こら、大昔から代々のDMが、密かに申し伝えてきたことや。―――ま、討ち死にしいひんに、こしたことはあらへんけどな。DMは、そのくらいの気構えでおらなあかん、ちゅうこっちゃ。ははは…」, その先輩は、自身の大学受験も先送りし、最後の最後まで、吹部のために尽くし通した。ある意味、人生の一部を捧げたのだった。, 「わしも、や。…これまで、団結の名のもと、融和第一でやってきた。せやけど、それがどうや。全国大会いけへんくなってもうてから、もう何年経つんや。毎年毎年、コンテスト会場のホールのロビーの片隅で、延々と、泣き続けている。もう、たくさんや。ええかげん、目え覚すんや。ぬるま湯は、もう、止めや。コロナで大会のうのうたのを機会に、今年度から、競争原理を本格導入する。」, 「まず、一人ひとりを細う評価する。具体的には、演奏技術、振付技術、部への貢献度などだ。吹コン、マーコン等の出場メンバーは、そないな個々の評定と、全体とのバランスを考えたうえで決める。学年は、関係あらへん。役職も関係あらへん。ちゅうか、同評定やったら、下級生のほうを選ぶことになるやろう。」, 「こら、運動部なら、常識や。うちは、仲良しクラブやあらへん。出場に漏れた者は、たとえ、相手下級生であろうと、選抜メンバーに対しては、心からの笑顔で、フォローにまわるんや。それが、部のためや。練習中は、悔しい気持ちは出してはいかん。ほんまに悔しいなら、陰で練習を積んどくんや。…ま、これからは、いわば、毎日毎日、瞬間瞬間が内部オーディションや。その意味では、瞬間、瞬間がチャンスでもあるんや。」, 確かに、総監督は、間違えたことは言っていないし、げんに、全国金賞の高校では、当たり前だろう。でも、今までの部の伝統とは、何かが違う...。, 「頑張ることは、あたりまえ。言われてできるようになることも、当たり前。それが一定のスピードでクリアーしていけへん時点で、すでに他校に負けとる。いや、他校の全国進出に、むしろ協力しとる利他行為や。そやさかい、部全体の進化のスピードについてこれへん者は、即座に練習の場から外す。―――間違うとること言うとるか?言うとらへんやろ?こら強豪校、どこでもやっとることや。…ただし、聡明な君たちに対しては、わたしは、決して、野蛮に怒鳴ったりせえへんし、その意思もあらへん。風通しのええ吹奏楽部の伝統は、守るつもりや。」, でも、これも、なんか、変だ―――リホは思った。怒鳴る、怒鳴らないではなく、生徒目線で共に汗をかき、共に泣き、そして共に笑う、という熱いハートが、少しも感じられないのだ。たとえ、時に怒鳴ることがあっても、それは、苦労の末、一段高い段階にともに達することのできた感動と喜びとを生徒とともに分かち合おうという、指導者としての「真心」の表れのはずだ。だからこそ、怒鳴られた自分たちのほうとしても、その熱いハートが心に沁みて、いっそう互いに支え合い、みんなで工夫しあって克服していこうとする、内からのパワーが沸き起こるのだ。そして、その団結し合い、互いを信じあえる力が、演奏演技の輝きとなって表れているのが、うちの吹部の伝統だったはずやないか...。, それがどうだ。生徒目線に下りず、一方的な指導と一方的な管理の強化により、心の醸成期間などという'非効率'は徹底排除し、個々の競争心を煽ろうというものだ。統率とスピードが命。冷たい、あまりに冷たい...。, 「すり替えないでください。生徒の内発的な心の輝きは、どっかから出てくると思われますか?」, 「心の輝きだけで全国金をとれるのなら、苦労などいらん。そないな幻想、甘えの温床となるんや。そんなん、ほかしてまえ。そやさかい、強豪校並みの管理が必要なんや。なんで、わからん。」, 「言うとる意味が、わからへん。熱いのなんの言うとる間に、突っ走らんかい。部の進化スピードを邪魔するのんは、利他行為いうたはずや。」, 「総監督、わたしたちといっしょに、心から悦びながら、練習を積んでいくことができますか。」, 「それは、君たちの努力による。スピードアップして、上手くなっていってくれれば、私としても嬉しいが...。」, 「総監督…。もう一度、伺います。『輝きの源』は、どう育まれていくとお考えですか...」, 「指導方針に従うて、努力を積み重ねていけば、すばらしい吹部になるはずや。君たちも全国の舞台に立てるようになるはずや…。」, 「まだ、わからんか。甘えの旧体制を引きずられては困るんや...1週間、練習から外す。」, コーチは、その様子を見ていて、慌てて総監督に近づき、何やらささやいた。 二言、三言、小声でのやりとりがあり、総監督は数秒間、なにやら考えたのち、口を開いた。, DMのリホと部長のナナは連れ立って、駅へ向かう。途中、ファーストフード店に入った。, 「今日、ホンモノのDM見たわ。何も言えんかったウチ、部長として恥ずかしかったわ。」, 「そやな...。うちらの代のことは二の次にして、まず、未来の吹部のことを考えようやん。」, しばらく新聞を眼前に広げて読んでいたが、丁寧にたたむと、おもむろに二人に話しかけた。, 「悪いが、聴かせてもろうた。事情は、よう分かった。未来に生きる君ら部員、創部の精神を守ろうと腐心してくれとるのんは、じつに有難い。たまたま君たちの隣に居合わせたのも、これもなんかの導きに違いあらへん。…総監督には、わしから言うとく。安心して練習に専念したらええ。」, その事件以降、総監督は、何事もなかったかのように、指導している。相変わらず、音作りの指導はうるさいが、以前にも増して、生徒の自主性に任せる場面が多くなった。誉める場面も次第に増えていき、最近では、自分や部長がよく呼ばれ、生徒の状況や、指導に対する生徒目線からの感想を聞かれるようになった。部としても、以前より、まとまりが強くなったと思う。, 賞というものは、その時々の先輩たちの最高到達点であり、現役部員がはじめから持っている実力ではない。総監督の指導力に依存してしまい、魂をなくし、創造力を失ってしまうと、部員は、たんなるコマに陥る。…そう考えていくと、自分たちが、生徒として未来の吹部員に残せるレガシーは、演奏の工夫以上に、自分たちが体を張って守ろうとした、'部の魂'なのだ。, 「はい、お陰様で、コロナ禍のショックは乗り越え、元気に卒業していけそうです。退部もストップし、全体も、より強うまとまりました。」, 「すんまへん、御心配おかけしてもうて…。これも先生のリフレッシュ・ボタンのおかげです。」, 「フォッ、フォッ、フォッ…。…このハンバーグの隠し味は、うまおすなあ......あ、さっき、DMと部長に会うたから、ハンバーグ食べさせたったわい。」, 「フォッ、フォッ…あの子たちは、部の宝や。部員が力強く、まっすぐに生きとるのは、部が健全な証拠や。心が健全なら、音も心地ようなる。あんたはんには、これからも、宜しゅう頼んだで。フォッ、フォッ、フォッ…。」, 「4年生のみんな、吹奏楽部の見学にきてくれて、ありがとう。顧問の西山アキです。アキせんせって呼んでな。わたしたち北小学校吹奏楽部は、音楽に夢中になれる、たのしいクラブです。みんなも、好きなことに夢中になっとるとき、時間があっちゅう間に過ぎていくやろう?そして、ああでもあらへん、こうでもあらへんと、いろいろと工夫を加えたってるうちに、気づいてみたら、えらいうまなっとったって、あるやん。楽器演奏も、おんなじです。最初から、うまなろうとしてはだめ。いろんな楽しみ方を工夫していくうち、気づいてみたら、演奏がうまなる練習になっとった、ってわけです。先生は、その楽しみ方の'案内係'をしてます...。…はい、前置きはこれくらいにして...では、これから5、6年生の団員の皆さんが登場します。拍手~~!」, 通学グループが同じからなのか、遠慮がちに小さく手を振りあう、団員と見学の4年生もいる。, 「ありがとう。ほな、まず、団員のみなさん、いつもの練習。最初にやること...知っとるな。イチ・ニ・サンでやってもらうで。」なぜか、ニヤニヤする団員もいる。「はい、イチ・ニ・サン!」, とたんに、団員全員が、笑い始めた。それを見ていた4年生は、はじめのうち、あっけにとられていたが、数秒後、つられて笑いだし、教室全体が、笑いに包まれた。, 「はい、ありがとう、ありがとう…。これが、笑う練習。べつに、みんなを、むりやり楽しゅうさせようってわけやあらへんで。口の周りの筋肉をほぐすウォーミングアップです。...はい、少し、落ち着いたところで......今度は、楽器をふくときの口の形を安定させる準備運動を行ないます。ほな、始めよか。…せーのっ」, 「あー、いー、うー、べ~~、あー、いー、うー、べ~~、あー、いー、うー、べ~~…」, とくに、全員で一斉に「べ~~」と舌を出すところが面白いらしく、またまた見学の4年生たちも笑い始める。なかにはまねして「ベー返し」をする者もいる。一人の男子団員が、「べ~~」のところで、頭を横に傾げ、わざと寄り目をした。教室は、またまた大爆笑に包まれる。アキ先生は、そんな様子を見て、本当に楽しそうに、ニコニコ笑っている。. 昔のピアノフォルテを使った演奏も打楽器感があって気に入っている。で、干野さんの演奏、これははじめの音から衝撃的だった。cd75とはこんなにパワフルな音が出るのか!乾いたピアノならではの深い音色。こんなスタンウエイ聴いたことがない。 カンタベリーコラール 僕僕のピアノの語り弾きを練習したものである できるようにはなったが、元の楽譜が簡単すぎていまいち決まらなかった 320 名無しさん@恐縮です 2021/01/15(金) 23:34:15.29 ID:dVrFWXDL0 最初のクライマックスは、ティンパニのロールに導かれる、輝かしいトロンボーンとユーフォのソリだ。とくにトロンボーンの音色は、天使の啓示を彷彿とさせ、さらに天に向かって高まっていく。その律花の音色といったら... そして最後は、ユーフォのふくよかなソリが、いつまでも深く、豊穣に満ちた余韻を残し、昇天していく...律花の中音パートの底力をみた。, カンタベリー・コラールは、一見、容易そうな譜面に反して、ともすれば、地味で陰鬱な演奏に陥りがちな難曲だ。にもかかわらず、律花の演奏は、安定した、流麗な流れで、高揚感すら生み出している!, しかも、顧問の指揮は、心に高揚感が高まっていく波の、まさにその頂点に達する直前、瞬間の間(ま)を意図的に作り出している。それが、また、いっそうの豊饒感を、聴く者の心に重畳的に深く刻み組んでいくのだ。「間」に語らせている。, 華やかさと豊かさが特徴だった顧問の音作りに、サウンドの渋みの魅力の創出も加わったようにも思える..。, もう、これは、生徒たちの内面の風景描写と化しており、演奏なんかではなく、荘厳かつ美麗な「歌」となっている。, そう、顧問の指揮とあいまって、吹部一体となった心の風景を歌いあげるように迫ってくるのだ!. 生徒会席には行かず、一般観客席へ戻った茉麻さんは、お隣の千奈美さんとともに、デジカメでステージを写しながら、楽しそうに笑っている。 その後ろの佐紀さんは、ダンス部の皆さんと一緒に、「せぇーの・・・3人とも、可愛いよー! 義足の妖精 | 練習で跳べてるなら動画出せるはずなんだよなあw 248 名無し草 2021/01/20(水) 02:24:26.85 でも、もう学生でも何でもないのにアマチュアにしがみつくってどうなの? 予備校講師歴も30年以上になりました。いろいろなことがありましたが、様々な方向へと越境しつつ自分を更新していきたいと思っています。参考書「英文読解入門基本はここだ」「ポレポレ英文読解プロセス50」「情報構造で読む英語長文」「リーディング&ボキャブラリー」「英文速読のナビゲーター」「英文の核」「英文法の核問題演習編」一般書「踊らされるな、自ら踊れ」「越境へ」(共著)「仕事のエッセンス」「そもそも」「星の王子様さまを英語で読もう」. ~人気作品~ Copyright © 当たり前のことながら All Rights Reserved. オンラインサロンについてオフ会でどういうことを話しているのか聞かれたのでこれまでのテーマを紹介します。, 第36回オンラインサロンオフ会 「デカルトからベイトソンへ」(1981年翻訳1989年復刊2019年)読書会のためのレジュメとして, ポレポレの訳について指摘をいただいたので、第87刷以降、その部分も含めて以下のように修正します。指摘していただいた方々に感謝いたします。, 2018年12月15日「さよなら自己責任~生きづらさの処方箋」(新潮新書)が発売されます。, LITALICO フォーラム「青年期から成人期の発達障害支援の現状と課題」に参加して, 干野宜大(ほしのたかひろ)さんのピアノを二日続けて聴いた。一日目は瑞江のフレンドホールで、二日目は石橋メモリアルホールでいくつかは同じ曲を連日で聴くという体験をした。石橋メモリアルホールでの演奏はヴィンテージニューヨークスタンウエイCD75という1,912年製のピアノ。ホロヴィッツが最も愛したピアノとされていて、今もその当時のコンディションを保っているのは世界でこの1台だけだということだ。現代のピアノとは全く異なる音色、パワーで、同じ曲を連日で聴いたおかげでピアノの違いがよくわかった。バイオリンも同様だが、これほど技術が進歩している時代において、より素晴らしいピアノが生まれてこないというのも不思議な感じがするが、素材と技術の問題なのだろう。ちなみに、皮革製品や木材も昔に比べて素材の質が極度に落ちているのは、とても残念なことだ。, 「モヤモヤするあの人 常識と非常識のあいだ」(宮崎智之)を著者に送っていただき、様々なエピソードを楽しく読ませていただいた。しかし、「モヤモヤする」という言葉がどうもピンとこなかったので「モヤモヤ」について少しだけ考えてみた。, この日の総括がまだ終わりません。最後に書いた小説の書き出しは1万字を超えていて、よくあんな短時間にこんなに書けたものだと思いました。今丁寧にリライト中で、最終的には100枚を超える作品になりそうです。, 先に書いた「身体で書くライティング」のワークショップでは、次々と課題が出されそれに応じて短時間で書くというワークがあったのですが、その一つに子どもの頃書いたものを思い出して書いてみよう、という課題がありました。, 先日「身体で書くクリエイティブライティング」小野美由紀さん主催ワークショップに参加してきました。休憩を挟んで10時間に及ぶワークショップ。, ゲンロンカフェ5周年イベントに行ってきました。ゲンロンカフェというのは、哲学者東浩紀主催の主にトークイベントを行うスペースです。ゲンロンでのトークは、予定調和的に行われるものは稀で、通常はテーマについてトークしながら思わぬ方向に話が進み、観客、ネット視聴者は登壇者の思わぬ発言に刺激されそこに参加しているという臨場感、一回性を味わえます。今回は5周年と言うこともあって、これからのゲンロン背負っていく4人を四天王と名指して、東浩紀含めて5人でトークするという豪華なイベントでした。. 美しき継承, 学校関係者、部の関係者のあいさつが一通り終わり、小グループに分かれ、OGとの座談会になった。, 「律花大から保健医療方面へ進む人が多いみたいですけど、先輩は今、大学で音楽療法を研究してはるんですか。」, 「そやねん。音楽療法士..っていうねん。まあ今のところ、リハビリの一環やけど...。ただ、ウチが今研究してるんは『マーチング・ヒーリング』ってやつで」, 「たしかに..。エンターテイメント性だけなら、阪急乗って見に行けば、いくらでもスゴイの見られる。やけど、一高校の部活動が、全世界の老若男女のファンを取り込んでんのは、確かに謎ですねぇ...。」, 「そやろ。国内外問わず、重い病気になった人が、元気が出る、生きる活力が湧く、言うてる。洋の東西、老若男女問わず、感動する人がおる。涙を流す人さえいる。..絶対、なんか理由があるはずや。」, 「専門的には、1/f揺らぎのリズムとか、脳のα波の喚起とか...色々あるみたいやけど、それだけちゃうと思う。それに、内部にいたから、逆に当たり前すぎて、分からへんくなってるんかもしれんし..。ま、メカニズム解明できたら、ノーベル賞モンやな、ははは..。それにしても、夏のマーコンはすごかったな。」, 「先輩たちが積み上げてくれはった土台があったからです。先輩が卒業された次の代で、吹コンで関西代表になりました。マーコンの全国進出は、もう1年かかりましたけど。その土台をつくってくれはった、コロナの時の先輩たちのおかげです。」, 「...うちらの代だって、『先輩超えたる!』って誓っててん。やけど、コロナで登校禁止やし、仲間と練習もできひん...。コンテストも舞台もぜんぶ無くなった..。」, 「何が辛かったって、コロナで、親の経済的理由で、部員がどんどんいぃひんくなっていったことや...。こればかりは、どうしょうもない..。」, 「で、残った仲間と誓ってん。いつかくるコロナ明けの日、そして、その先の後輩たちの'栄光の日'のため、自分たちの代は、後輩たちの'肥やし'になろう――って...。」, 「いや、そう考えることしか、心の持ちよう、支えようがなかってん。輝くことも儘ならへんし、沈むことも儘ならへん。なんもできひんかった...。」, 「やけど、そのうち気づいてん。うちらの前の代の先輩たちやって、顧問は変わる、コーチは変わる...本当に恵まれてはったんやろか...。むしろ、激動の中、あがき続けてはったんちゃうか...。」, 「過去の出来事は、変わらへん。けど、時間がたつうち、内面の成長とともに、捉え方が進化していくもんや。傷も、癒えていくもんなんや...。」, 「うん。ご飯、おいしいか?..笑顔で挨拶してるか?..素直に『ありがとう』って言えてるか?...一歩一歩、踏みしめながら、歩いてるか?」, 「ひとつひとつのつながりに有難さを感じられれば、感謝の気持ちが、心を安らかにする。『香しい香りの在りか』も見えて来るねん。」, 「そうや...。ま、仲間とともに、人を活かし、自分も活かされて、互いに高め合っていけるような場所――やな。」, 「はは...。それで、ええねん。そのうちわかる。...ま、今となっては、コロナも肥やしになったってことや...。一曲、吹かせてな。」, 先輩は、そう言うと、おもむろにトロンボーンを取り出し、律花のパレードの出だしの1曲目を吹き始めた。, 先輩の原点には、仲間たちとの美しい行進の世界が、ずーっと生き続けてはるんやろな...。, 人それぞれの生き方の原点を美しく加工し直してくれるのが、先輩の言っとったマーチング・ヒーリングちゃうんかな...?.
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